IT・SaaS

IT・SaaS企業の営業資料の作り方|技術を非エンジニアに伝える

「機能の説明は伝わっているのに、なぜ導入に進まないのか」——SaaSの営業資料でよくある壁です。技術を非エンジニアに伝えるための言語化、SaaS特有のROI訴求、商談フェーズに合わせた資料設計を解説します。

·読了 11分
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IT・SaaSの営業資料が難しい理由

IT・SaaS企業の営業資料が難しい理由は、「作り手(エンジニア・技術者)と読み手(非エンジニアの担当者・決裁者)の間にある知識のギャップ」にあります。機能を正確に伝えようとすると技術用語が並び、読み手には「難しそう・自分には関係ない」と感じられてしまいます。

IT・SaaS営業資料の特有の難しさは3つあります。第一に「機能の豊富さ」——多機能なSaaSは「全部説明したい」という誘惑があり、情報過多になりやすい。第二に「価値の見えにくさ」——SaaSの価値は使って初めてわかるため、資料だけで伝えにくい。第三に「費用対効果の説明」——月額固定費の正当化は、従量課金のツールより難しい。

これらの難しさを克服するカギは「技術から成果への翻訳」と「数字による価値の可視化」です。IT・SaaSの営業資料の作り方の核心は、「どんな機能があるか」ではなく「使うと現場がどう変わるか」を伝えることにあります。

SaaS営業資料の基本構成

SaaSの営業資料は「課題の共感→現状の限界→解決策→ROI→実績→料金→CTA」の7ステップが基本です。一般的な営業資料の構成パターンと大きく変わりませんが、SaaS特有のポイントは「ROI試算」を必ず入れることと「料金を明示する」ことです。

1

課題の提示

担当者が毎日感じている業務上の痛み・非効率

2

現状把握

現在使っているツール・方法の限界を数字で示す

3

解決策

自社SaaSがその課題をどう解決するか(機能よりも成果で説明)

4

ROI試算

導入によるコスト削減・効率化を数字で試算

5

導入事例

同業種・同規模の企業での成果(Before/After)

6

価格・プラン

料金体系(月額・年額・ユーザー数)と初期費用の明示

7

CTA

次のアクション(無料トライアル・デモ日程調整)

SaaS営業資料のページ数の目安は、初回提案10〜12枚・詳細説明15〜20枚・決裁者向け10〜12枚です。フェーズによって強調するポイントが変わるため、1つの資料を使い回すよりもフェーズ別に最適化した資料を用意することをおすすめします。

技術を非エンジニアに伝える言語化の技術

機能→ベネフィットへの変換

IT・SaaS営業資料の最重要スキルは「機能説明をベネフィット(便益)に変換する」ことです。機能はSaaSの「手段」であり、読み手が知りたいのは「その結果として何が良くなるか」です。以下の変換例を参考に、自社サービスの機能説明を見直してください。

機能説明(NG)ベネフィット変換(OK)

AIが自動でデータ分類

「機械学習アルゴリズムが高精度で分類」

毎朝30分かかっていた仕分け作業がゼロになる

APIで既存システムと連携

「REST APIに対応、OAuth2.0認証で安全に連携」

今使っているSFAやERPにデータが自動で反映される

リアルタイムダッシュボード

「WebSocketでデータをプッシュ配信、99.9%SLA保証」

「状況を確認したい」と思ったときに、誰でも最新データが見られる

マルチテナント構成

「マルチテナントアーキテクチャで論理分離を実現」

会社全体で使っても、部門ごとのデータが混在しない

技術用語の言い換え

IT系の専門用語は非エンジニアには意味が伝わらないだけでなく、「難しそう=自分には関係ない」という誤解を生みます。資料作成後に「エンジニア以外の人が読んで理解できるか」を必ずチェックしてください。よくある言い換え例:「API連携」→「他のシステムと自動でデータが同期される」、「クラウドホスティング」→「インストール不要でブラウザから使える」、「SLA 99.9%」→「年間8時間以内のダウンタイムを保証」。

デモ・スクリーンショットの活用

SaaSの価値を一番伝えやすいのは「実際に使っている画面」です。商談中にデモを見せるのが理想ですが、資料内でもスクリーンショットを活用することで理解度が大きく上がります。スクリーンショットを入れる際は「何の操作をしているのか」を矢印と注釈で補足し、「Before(従来の方法)」と「After(自社ツールを使った場合)」を比較で見せると効果的です。

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SaaS特有のROI・コスト訴求

IT・SaaSの営業資料において、ROI(投資対効果)の説明は欠かせません。月額固定費のSaaSは「今すぐ買い切りではなく月々払い続けるコスト」として認識されるため、「元が取れるか」を明確に示す必要があります。ROI訴求を3つの視点で設計してください。

コスト削減

  • 現状の工数(時間×時給)を数字で示す
  • ツール導入後の工数削減率を試算する
  • 人件費換算で「年間○○万円の削減」を明示

試算例

月40時間×3名×時給3,000円 = 月36万円 → 導入後70%削減で月10.8万円、年間303万円削減

機会損失の解消

  • 現状の非効率による売上機会損失を試算
  • 対応速度改善による受注率アップを見込む
  • 担当者の生産性向上で新規案件対応数が増える

試算例

商談対応スピードが2倍に→失注率20%改善→年間受注500万円増(自社比較)

回収期間の明示

  • 月額費用と削減コストを並べて回収月数を計算
  • 「○ヶ月で元が取れる」を明示する
  • 保守的な数字で試算し「少なくとも〇ヶ月」と説明

試算例

月額10万円の導入費 ÷ 月30万円のコスト削減 = 0.3ヶ月(9日)で回収

ROI試算は「保守的な数字」で計算することが重要です。楽観的すぎる試算は信頼を損ないます。「控えめに見積もっても〇ヶ月で回収できます」という表現が、決裁者の稟議書作成に最も役立ちます。

商談フェーズ別の資料設計

SaaSの商談は複数のフェーズにわたります。「興味喚起→詳細説明→最終決裁」のそれぞれで、資料の役割と内容が異なります。同じ資料を全フェーズで使い回すと「情報が多すぎる・少なすぎる」という問題が生じます。

初回訪問・ファーストコンタクト

5〜8枚

ゴール

興味を持ってもらう

重点コンテンツ

課題の共感と解決の概要のみ。機能詳細は不要

「3分で理解できる資料」を目指す。次の商談を取ることが目標

製品デモ・詳細説明

15〜20枚

ゴール

使い方と効果を具体化する

重点コンテンツ

スクリーンショット・デモ動画・FAQ・技術仕様(付録)

担当者向けに操作性と導入ステップを丁寧に説明

決裁者向け最終提案

10〜12枚

ゴール

承認を得る

重点コンテンツ

ROI試算・競合比較・サポート体制・契約条件

「なぜ今・なぜ自社製品か」を数字で証明する

よくある失敗と改善策

IT・SaaS企業の営業資料でよくある3つの失敗パターンと改善策です。受注率が上がる営業資料の改善ポイントと合わせて確認してください。

失敗1: 機能の羅列が「スペックシート」になっている

IT・SaaSの営業資料でよく見られる失敗が「機能一覧」を並べた資料です。エンジニア出身の担当者が作ると特に起きやすいパターンで、「〇〇機能・〇〇対応・〇〇オプション」が箇条書きで並んでいます。しかし非エンジニアの担当者・決裁者は機能の名称から効果をイメージできません。機能名は「その機能を使うと業務がどう変わるか」という成果に変換して初めて意味を持ちます。資料の各スライドを「機能→成果」に書き換えることで、伝わる資料に変わります。

失敗2: 料金がわからない・複雑すぎる

SaaSの料金体系は複雑になりがちです(ユーザー数課金・機能プラン・オプション・初期費用など)。これをそのまま資料に入れると、読み手が「結局いくらかかるのか」を把握できません。料金スライドのコツは「最もシンプルな利用ケースの月額」を大きく見せること。詳細は別表かFAQで補足し、「まず概算金額を把握する」という意思決定に必要な情報だけを前面に出してください。

失敗3: 競合との違いを正直に説明しない

「弊社が最も優れています」という一方的な自社アピールは、読み手の信頼を損ないます。IT市場は競合が多く、読み手は既に他社との比較をしている前提で考えてください。競合との比較は「誰にとって最適か」という用途別の使い分けで示すのが効果的です。「大企業のカスタマイズ要件には他社製品が向く場合もあります。私たちは中小・ベンチャーのスピード重視の組織に最も向いています」のように誠実に伝える姿勢が、長期的な信頼につながります。

まとめ

IT・SaaS企業の営業資料の作り方のポイントは3つです。第一に「機能からベネフィットへの翻訳」——技術用語を「業務がどう変わるか」という成果に変換する。第二に「ROIの数字による可視化」——月額費用を正当化する試算を必ず入れる。第三に「フェーズ別の資料設計」——初回・詳細・決裁者向けで内容と枚数を変える。

SaaSの営業資料で最も即効性のある改善は「機能一覧を成果一覧に書き換えること」です。今の資料の機能説明を1つずつ「これを使うと○○になる」に変換するだけで、非エンジニアへの伝わり方が大きく変わります。AIを使って営業資料を効率化する方法も参考にしてみてください。

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